欧州連合の AI 法 (Regulation 2024/1689) が定める汎用 AI (GPAI) プロバイダー向け義務の本格執行が 8 月 2 日に始まる。欧州 AI Office が情報要求・モデルアクセス・是正命令・制裁金賦課の権限を新たに取得し、違反時の罰金は最大 1,500 万ユーロ (約 24 億円) または世界売上高の 3% のいずれか高い方となる。

主なポイント

  • 対象は EU 域内で提供される汎用 AI モデル。OpenAI / Google / Anthropic / Meta などの基盤モデルベンダーが主要対象で、システミックリスクを持つモデルには追加の評価・報告義務が課される
  • 執行対象になるのは第 50 条 (透明性義務) を含む主要条項。ユーザーが AI と対話していることの明示や合成コンテンツのラベリングが強制される
  • 7 月 27 日には施策手続き簡素化を狙う AI Omnibus も発効。中小事業者向けの手続負担軽減と一部期限延長が盛り込まれた
  • 執行タイミングは、Anthropic や OpenAI が自社モデルによるサンドボックス逸脱事例を相次いで開示した直後にあたり、AI Office の権限行使の初期対象になる可能性が指摘される
  • 米国では連邦法よりも州法での AI 規制議論が先行しており、EU の GPAI 規制が事実上のグローバルスタンダードとして参照されるか注目される

出典: Brussels Gains New AI Act Enforcement Powers as Autonomous AI Tests Regulators